【お金の話④】研修医時代の罠〜ワンルームマンション投資〜(後半)

前回投稿した【お金の話③】では、ワンルームマンション投資の詐欺電話について書きました。後半では、半年後に上司の紹介で不動産会社の人と会い、気がついたら契約書の前にいた話を書きます。

①麻酔科の部長「僕が紹介してあげる」

麻酔科の研修医は、担当手術以外の待機中は医師控え室で過ごすことが多い。同室で北海道旅行の動画編集に勤しむ部長に話しかけられる私。

部長「先生、動画完成したんだけど見てみる？」

私「お疲れ様です！！（興味ないが）ぜひ見せて下さい！！・・・ウワー！この雪が舞う映像最高ですね（ヨイショー）」

こんなクソ対応で、完全に気に入られていた。

そして部長が確定申告をしていたある日、「先生はまだ経験ないと思うけど、税金ってもんのすごいの。まあ、僕はかなり節税できてる方だとは思うけど！」といつもの如く自分語りが始まる。振り返るとワンルームマンション投資(不動産＋税金の還付金(節税目的)が得られる投資)の話をしていたのだが、当時投資について何も知らなかった私は、いつも通りヨイショした。「そんないい話があるんですね！」と。

そして、この流れで断れない一言を言われてしまった。

「研修医1年目でそんなにお金に興味がある先生は珍しいよ、、、よし。お世話になってる人がいるから、特別に僕が紹介してあげる。」

②大阪　鶴橋の新築1Kマンション　1700万円

後日、麻酔科の部長同席のもと不動産会社の人と食事を楽しむ会（という名の研修医にマンションを売りつける会）が開催される。今回はロイヤルホストではなく、海鮮が美味しい料亭を予約されていた。部長の紹介ということで、本気度が伝わってくる。しばらく食事を楽しみお酒も入ってきたところで、怪しいおじさんから本題のマンション紹介がある。

おじさん「大阪、鶴橋の新築1Kマンション。新築だが入居者がおらす2年経過し綺麗です。1700万円ですが、ローンを組んで頂いて月7万程度の支払いです。（ドヤ顔）」

部長のおお〜！なかなか良いねえ！という合いの手。部長も怪しいおじさんの1人である。僕にも紹介してよオ！という完全に酔っ払っているカモ部長に、おじさんが「先生はこちらで・・」と別の書類を渡していた。カモ部長は20件以上のワンルームマンションを全国に契約しているらしい。

私は、場の雰囲気にのまれ、契約を決めた。（？！）

最大のカモは私です。

カモ部長にはどれほどのバックマージンが約束されていたのだろうか、職場では見た事のない、とびきりの笑顔をしていた。

③あと印鑑だけ

契約書は料亭でそのまま書かされ、印鑑だけなかったので、後日押印しますという話になった。個人情報を書いていると、少し冷静になり始める私。

1700万の借金を抱えるってことだよな・・・・？(遅)

新築で2年入居者がいないけど、入居者がいなかったらこの見積書の家賃収入0になる・・？（遅）

ここで私は、勇気を振り絞って質問した。「入居者がいなくて家賃収入がなくなったらどうなりますか？」

おじさん「そこらへんは私たちがカバーするので安心して下さい（暗黒微笑）」

詐欺だと確信した。